ネモフィラブルーに浮かされた熱

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次の日のランチタイム、社員食堂で企画営業の愛澤さんと待ち合わせ。 「宮内さーん」 明るく笑って手を振る愛澤さん。肩まで伸ばしたストレートヘアだったのだけれど、ゆるくパーマがかかっていた。 「愛澤さん、パーマかけたの?可愛い、似合ってる」 「わーい、ありがとうございます。宮内さんに褒められると超嬉しいです」 愛澤さんがランチセットのA(本日はオムライス)を頼み、私がランチセットのB(こちらはサバの味噌煮定食)を頼んだとき、後ろから男の声がした。 「俺もご一緒していいですか?」 にこっと笑いかけてきたのは、SEの箕輪くんだった。 「えー。宮内さんと二人きりのランチデートの邪魔しないでよ」 愛澤さんが口を尖らせる。 「まぁまぁ。代わりに今度、最近できたパスタ屋さんにでも行きましょう」 「それなら今日だけは箕輪入りOKです」 「酷い言われようだな」 箕輪くんが困ったように笑う。 愛澤さんと箕輪くんは部署は違うけれど同期で、入社した頃からの友人関係のようだ。
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