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「そう、なにも。それで今までの君の気持ちがわかったの。」
「俺の気持ち?」
君が戸惑った声を出す。
「そう。私ね今この瞬間も君のために時間を使いたくないの。最近よく君が言ってたよね。メールの返信が億劫だって言ってた気持ちも、5分で早く帰りたくなる気持ちもよくわかったの。」
「……それは。」
君はなにか言いづらそうにする。
「いいよ、誤魔化さなくたって、言ってたの覚えてるし、君の嫌そうな顔くらい嫌でも覚えて知っちゃったから。もういいの。何も思わないから。君だって私に対して何も思わない。そうでしょ?」
「……………俺は、まだ好きだよ。」
「……っ。そんな嘘いらないよ。たとえ、嘘じゃなかったとしても、もう戻れないや。君を好きだったあの頃には。」
「絶対に?」
君が辛そうな声を出す。
「うん。絶対に。君への気持ちが戻ることは無い。私が好きだった、尊敬していた君はもう居ないから。私はもう君がどんなことを言ったって許さないし、許せない。だからね、この関係をズルズル引き伸ばしになんてしたくないの。そんな未来になることだけは、私は絶対に嫌だし、許せない。」
君はまた何も喋らない。
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