夏の夜、君と打ち上げ花火

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『あと何度君と同じ花火を見られるかな』  歌詞は、そこだけはっきりと聞き取れた。電車の中で誰かの流す音楽が漏れ聞こえている。  夏になると流行する淡い恋の歌が大宮伯崇の頭の中の印画紙に焼き付いたのは、同じことを自分も経験したことがあるからだ。  それを呟いた品川翼の泣きそうな横顔も一緒に脳内で再生される。  あの日、翼は恐れていた。  自分が何かに変わっていく。時の流れを、恐れていた。
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