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第一話
ばあちゃんが死んだらリフォームをすると張り切っていた千晶。でっかい缶の貯金箱は案外紙が多いのか簡単に持ち上がった。あっちこっち直したいと言っていたのは案外早く着工することになった。
それは長男、昇が生まれたからかもしれない。
散々あちこちで千晶に似てよかったと、いじられたが、俺たちにとっちゃ毎日が戦争みたいなもんだった。
アパートは引き払おうとしていたが、もったいないと、そのまま会社の社員寮として使うんだと言うので、俺たちは家電以外の物を持ってこっちに越してきた。
同じ年頃の人たちの誘いで小町ちゃんと一緒に週一回、デイサービスに通うようになったばあちゃん。カラオケや温泉、何でもあるんだと週一回のたのしみが出来たと喜んでいた。そんな矢先、福祉事務所の人を連れてきた。歩行困難になってきたと言うばあちゃん、ウソだろ?冗談だよね?なんて言っていた俺たちをよそに、一割負担ならと家の中を改造しはじめた。
それでも金額の上限があると言われ、めいいっぱい使って、風呂を新しいものにして、手すりと車いすが通れる分の廊下の補修、ベッドのリースなんかをしたんだ。
快適に過ごしはじめたなんて言うばあちゃん。
まあ俺たちはあちこちリフォームしてくれただけでありがたかったけど、その先の事なんか案外考えないでいたのかもしれない。
それは小町ちゃんが亡くなってすぐ、ばあちゃんがけがをしたことから始まったんだ。
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