はじまりはいつも何気なく

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はじまりはいつも何気なく

そんなわけで東京で一人暮らしをしていた私なのだが、以前書いた通り主にキャバクラやラウンジ、風俗店の裏方として働いたりしていた。 それなりに楽しく、そして日々死にたい気持ちに変化もなく、アルコール依存症にもなっていたし、心療内科にも通っていた。 たくさんの出来事があったし、そのほとんど全てを今の私は受け入れていて愛すべき過去だと認めているが、その東京での生活の最後の方で、私が東京を後にするきっかけを作った女の子がいる。 その子も、たまたま私が働いていたキャバクラで知り合った子なのだが、美醜にとてもこだわってしまう、整形依存の醜形恐怖症の子だった。 いつもどこかしらをいじりに色々な整形クリニックへと通っていた。 私には違いがわからない、ほんの1mmにこだわり、ここを変えたけどどう?といつも聞かれた。 私には違いがさっぱりわからなかった。 とりあえず、可愛くなった、元々君は可愛らしい顔立ちをしている、と言っては褒めていた。 その子と仲良くなったことで、私はホストクラブに出入りするようになってしまったのだ。 ぶっちゃけそれまでホストクラブと言うものに興味を持ったことが一度もなかったのだが、その女の子は「良くホストクラブに遊びに行く子」だったのだ。
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