営業される側へ

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営業される側へ

一応、私に声をかけてはくれるが、私は大概酔っぱらっていて聞いてはいない。 もしくは、私がトイレに行っている間に、卓についているホストに「先に帰ったって伝えておいて」と言伝などを頼み帰ってしまうことなんかもあった。 もちろん、自分の分は支払ってから帰ってくれていたのでそこは心配ない。 私の場合は、何せ酔っているから何もかもがどうでも良いのだ。 部屋に帰ろうが帰らずにアフター待ちをしてホストとホテルへ行こうが、ナンパを待とうがなんでも良かったのだ。 その女の子は、ちゃんと「家に帰らなければ」と言う意思があったのであろう。 何せ整形に遣うお金が一番大切なのだし、なるべく睡眠をとらなければ整形した痕だって良くなるのに時間がかかってしまう。 私と言えば「いつ死んでもいいや」「何がどうなってもどうでもいいや」思考なので、だいたいラストまではいる。 そういうことが何回かあった。 そのうち、私は話が合ったり、気に入ったホストがいれば同じ店に通うこともある、普通のホスト通いのキャバ嬢となっていた。
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