血しぶきの街

ホストの彼女？

今までは、一人で飲むのだったらバーでもスナックでもニューハーフバーでも全然良かった。
オーナーやマスターがいるし、客でも話しかけてくれる人もいるのだし、スナックやニューハーフバーに行けばキャストがついてくれるのだし。

それだけで十分だった私に、わざわざ「男」が「私に好かれようとして」「金を払わせようとして」、一生懸命話を弾ませ、盛り上げてくれようとする、そんな場所があると言うことを、憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる場所があると言うことを知ってしまった。

ちなみに私はいつも基本的にニコニコ現金払いで全額きちんと現金で支払って帰るタイプだった。
ツケとか掛けとかマジ無理な人種なのだ。
なのでとても好まれた。

そうして、私はその後このホストクラブに何度か通った。
一人で行くこともあったし、友達を誘うこともあったし、周りに酒を飲めと煽る例の女の子と一緒に行くこともあった。

いつも私が一緒に飲むのは当たり前だがこの本指名の「お酒が飲めない」しゅん君だった。

ある日、しゅん君に店外を誘われた。
彼女として、先輩たちとの焼肉パーティーに来て欲しいと言う話だったと思う。

セックスもしていないのにいつの間に彼女になったんだ？？
と思ったのだが、彼の中ではもう私はいつの間にか彼女のようだった。