終わり物語

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終わり物語

しゅん君は、私がしばらく自分の働く店のイベントなどで忙しいと「大丈夫?」とか「店に飲みに行こうか?(俺は飲めないけど)」などと連絡をくれたりもした。 たまに「寂しい」や「会いたい」などと言う連絡が来ることもあったが、店に会いに来いってことか?としか私には受け取れなかった。 そんなある日、しゅん君から珍しく電話がかかって来たのだ。 「彼女なのに、俺に会いたくないの?」と言う、少し拗ねたような怒っているかのような声。 私は、は?と思いつつ、男性に媚びる癖や、怒らせるのが怖い、と言う恐怖心が抜けていなかったので「ごめんね、明日店あがったら行くよ」と言うようなことを答えたと思う。 そう、問題はその日に起こった。 問題と言うか、事件と言うか、なんだろう、しゅん君との終わり物語とでも言うべきか。 私はイベント中であったこともあり、それなりに客も呼べるキャストとなっていたので、自分の働く店ですでに結構酔っぱらってしまったのだった。 それなのに、律儀に約束を守ってしゅん君の待つ店に仕事が終わってから向かってしまった。
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