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「俺も協力するよ」
「きょ、協力って何を……?」
「浅宮と有栖がうまくいくようにだよ」
「えっ……!」
浅宮は死ぬほど驚いている。どうやら俺には有栖への気持ちはバレてないと思ってたようだ。でもはっきり言って、あんなにわかりやすく熱っぽい目で有栖を見てたら誰だって勘づくと思う。
「隠すなよ。大丈夫だ。俺は誰にも言わないから」
そう言ってやってるのに、浅宮はとても困った顔をしている。
まぁ、そうだよな。まさか男に惚れてるなんて絶対誰にも知られたくなかっただろうから。
「だからか……。だから三倉は俺とカフェに行ったりLINE教えてくれたりしたんだ……」
「そうだよ」
え? 逆にそれ以外になんの理由がある?!
「別に、俺とどうこうなりたいわけじゃなくて……」
「いや、浅宮とは友達になりたいと思ってるけど」
「とも……だち……か……」
どうしたんだよ浅宮。落ち込み過ぎだ。
しばらく苦しそうな表情をしていた浅宮だが、「それでもいいっ」と急にガバッと顔を上げた。
「わかった。三倉。協力してくれ。これからも俺を助けてくれないか?」
なんだよコロッと態度を変えて……。まぁ、協力するけど。だって浅宮は実は結構いい奴だし。
「うん。いいよ」
「ホントか? じゃあ今まで通り、俺と一緒に過ごしてくれる……?」
「もちろん」
なんなんだ? そんな当たり前のことを確認したがって……。
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