1.熱い視線

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「最後に」  浅宮は、急に真面目な顔になる。浅宮がずいっと顔を近付けてきたから間近で浅宮を見ることになって、なんかドキドキした。だって浅宮は非の打ち所がないくらいキレイな顔をしているから。 「三倉は、有栖と付き合わない。それでいいよな?」 「へっ?!」  急にそんなことを言われてびっくりした。そうか、有栖は親友だと思ってたからそんな目で見たことはないけど男同士のそういう関係だってあり得るよな……。  浅宮は男が恋愛対象みたいだし、常に有栖のそばにいる俺の存在を不安に思っていたのかもしれない。 「だってそうだ。三倉は俺のこと応援してくれるんだろ? だったらお前が有栖と付き合うなんてことしないよな」  浅宮は真剣だ。そんなに有栖のことを本気で想ってるんだな。 「うん。付き合わない。浅宮のこと応援するよ」  俺がそう言い切ると、浅宮はほっとした顔をした。 「ありがとう。ごめんな、具合悪いのにたくさん話をして……」 「いいよ、もともと俺から言い出したんだから」  そうは言ったものの、少し辛くなってきて再び保健室のベッドに横になる。  それをみて浅宮が「ごめん。俺のせいだ」と心配そうな顔で覗き込んできた。 「俺、少し寝る……」  頭がクラクラする。俺は布団に潜り込み目を閉じた。 「ごめん……三倉……」  浅宮はもう一度謝ってきた。  返事をしようと思ったけど、身体のだるさのせいで「ううん……」と返しただけ。 「お前の優しさにつけ込むような真似をして ……」  浅宮が何か話しかけているようだが、なんか頭ボーッとするし、眠くなってきて、うまく聞き取れない。 「でも嫌なんだ。耐えられない。他の奴なんかに渡したくないんだよ——」
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