あの日の世界で君を見た──

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み、未来? 「そのまんまの意味だよ?君らの先の時代で生きてる者だ。未来では過去へタイムリープ出来るものが開発されててね……まあまだ実験の段階だから世に出回ってないけどね〜」 あー無駄に喋ったら喉乾いちゃった〜、と女は自分勝手に会話をやめた。 「未来を知っているなら、尚更お前の行動は許されないだろ!先が分かるのに俺らに手を貸してくれないなんて…」 「だからさ〜、言ったでしょう?"遊び人"だってさぁ♪人の不幸を見るのが私の趣味なんだよ〜」 実験中とは言わず、あえてそっちの発言を選んだ女に、俺は我慢の限界を迎えた。 女だろうが関係ない!俺は全ての怒りを拳に注ぎ、女目掛けて殴りかかった。 だが、当たらなかった。 狙いは確実に決まっていたのに、避ける素振りもしなかったのに、拳は虚しく虚空を切った。 「ハハ、無駄無駄〜。私の実体はここに存在しない。プログラムなんだから」 最後に無様な姿を見せてくれてありがとよ〜──女は豪快に転けた俺に高らかに笑いだす。 俺は…ただ唇を噛み締める事しか出来なかった。 「さぁてそろそろティータイムでもしようと思うから、ここらでドロンさせて貰うよ〜」 バイバイ、と、手を振りながら女は白黒な砂嵐を起こしながら、姿を一瞬で消すのだった。 「……許さない」 視界が涙で一杯になる。 逆恨みもあるかもしれないが、俺はお前だけは絶対に許さない! 弟妹の恨み…。 例え手の届かない未来だろうと、地獄の果てまでお前を追ってやる…!
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