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それはまさしく”THE・力尽きた人”そのもので、服装は濃紺の浴衣のようなものを羽織っている。
着衣の乱れや血痕など、見たところ容体に異常はなし。
今日って祭りとかあったかな?最近は和装男子を見かける機会もたまにはあるが、どうなんだろう。
さっきの衝撃音を聞きつけた野次馬であろうか?
飛行機の部品でもなく、隕石でもない。
この人が空から?
まさか。
周りには建物はないし、こんな夜に木登りをしていたわけじゃあるまいし。
それにしてもこの人、ピクリとも動かない。
この男性、死んでしまっているのではないか。
そう思った途端、男性の容態を心配するよりも、誰も居ない夜の公園の闇に私は戦慄を覚えた。
体が自然と一歩、また一歩と後退りしていく。
やがて私は、背後の何かとぶつかった…。
…。
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