置き去りにされた女

1/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
    「なんで私がこんな目に遭うの? 陽くんのバカ! 絶対に許さない!」  麗子はブツブツ文句を言いながら、暗い山道をトボトボ歩いていた。  舗装された道路ではないけれど、車が通れる程度の道幅であり、地面はしっかりしている。街灯は設置されていないが、空には星が(またた)いており、少しは足元も照らされていた。 「さっきまでなら『きれいな夜空ね!』って思えたのに……。もうそんな気分じゃないわ!」    
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!