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【少女漫画評論家・鍵山】にさせたのは私だ。展開を見せるたびに、女子受けしてて、男子の思いそっちのけかと厳しくなっていた。
「思春期に少女漫画読ませたなんてやるわね。日高さん」
「いや、もう居心地いいからって部屋に居着いて離れなかったんで・・・」
私の本棚は少女漫画で埋め尽くされていた。中学時代、少年漫画に飽きた鍵山に私が手渡したのがはじまり。
「なおさらいいじゃない!!」
緑のカラコンを入れ換えた先生が指を鳴らして私の肩に手を置いての圧をかけてくる。先生は愚痴られたのが、よほど気にくわなかったようで、話は止まらない。
「鍵山くんの理想の恋愛はなんなのか?ネタにもなるしさ、お願いね?」
出会いは最悪なんて王道展開で現れた幼馴染み相手に恋しろと?いやいや、無理だわ。
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