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プロローグ
少女漫画好きだった私は昔、幼馴染相手に熱弁していた。恋の始まりはこういうのがいいって、うんざりするほど聞かせたのは幼馴染が恋愛対象として映っていなかったから。
『お隣さんが偶然再会した初恋相手って萌えるっつ!!』
『日高の相手は大変だな』
幼馴染の鍵山哲也はアイドル並みではないが、そこそこモテる。私は荷物を持たせられたり、伝言を伝えたりしているが未だ交際相手は紹介されない。
山積みに置かれた少女漫画をパラパラ捲り、恥ずい、うそくせと愚痴愚痴言っていた15の夏。鍵山におすすめのシーンを見せるべく捲っていると。
『日高の交際相手が可哀想だから、俺にしろ』
『ご心配なさらず、恋は待つだけじゃなく、突っ走らなきゃ!!』
15歳の私は自意識過剰と言うよりか、後先考えずに突っ走る性格で一目惚れで告白し玉砕した数は数えないことにした。
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