成 10(壱と東京のアパートで会う)

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「ここのアパートに、壱は殆ど帰ってこないだろう  引き払ってもいいよ。僕の荷物は実家に送る」 「俺達の住まいだろう」 「もういいよ、壱は勘違いしてたんだ僕がもっと大人になったら…また好きになって…」  イライラしてきた壱は、 「いったい何でこうなった。2か月前まで上手くいっていただろう」 「僕の中で満たされていないなにかが、出たのかな。  働く事は大変だけど、自立する」 「…、成、誰か好きな人出来たのか」 「いないよ。出来たならそう言って別れを言うよ」  同じような繰り返しの話し合い。僕達は疲れてきた。 「今日は僕は泊まって行くけど、壱はどうする」 「俺も泊まる」 「だいぶ遅くなったけど、何か食べる?昼コンビニで買ったのがあるけど出すね、適当に食べて」 「ああ、ありがとう」
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