壱 岐阜へ

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 全く、俺はどうしようもないな……。  成のアパートにいても、いくら俺が家賃を支払らっているとはいえ、何処か落ち着かない。  夜遅くまで仕事をして帰ってくる成の為に俺が食事を作って待っている日がくるなんて思っても見なかった。 「ただいま」 「おう、今日はカレーだ」 「ありがとう、あっ明日の夜、働いている所の先生が、壱も一緒に食事しようと言ってくれたけど、どうする?」 「えっ、俺の事言ったの?食事会は俺が行っていいの?」  俺の事を他の人に言ってくれた事が嬉しく心が弾んだ。 「友達が東京からきているって言った。壱さえ良かったら3人で食べよう」  あっそうか友達だな、弾んだ俺の心は沈んだ。 「あっそうか。わかった、明日な」  平常心を装って答えた。
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