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上に四角い穴が開いているのを見て訝しく思いながらも
「助けて! 床が抜けて下に落ちてしまいました!」
と叫んだが返答はない。
「ビューさん! ここから助けて! バンクさん、ねぇ、聞こえてますか?」
奈緒も大声を出しているのに聞こえていないのだろうか?
代わりにギシギシという音が響いて、先ほどまでは床だったはずの場所。つまり今の麗奈から見ると天井にあたる場所についている扉が閉じていく音がしはじめた。
「扉を閉めないで! 私たちを出して」
二人が大声で叫んでも全く返答がないという事態に、胃がキリキリと痛みだした。
「バンクさん! 私たちここに居るんです!」
焦った奈緒がピョンピョン飛び跳ねたが扉まで届きそうもない。
「ビューさん、ここから出して! 助けて! 閉じ込められちゃう! お願いっ!」
二人は悲鳴交じりに叫んだが、扉はどんどん閉まっていく。
今更ながら、床にあんな仕掛け扉がついているということ自体、あり得ないことだということに気づき、麗奈は体温が一気に下がるのを自覚した。
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