(二)サクラ星人

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ

(二)サクラ星人

 桜源郷に於けるサクラ星人の文明は、二十一世紀の人類のそれを遥かに超越していた。特に宇宙空間の移動手段並びに通信分野の発展たるや、目に見張るものがあった。  サクラ星人は自分たちが持つテクノロジーを駆使して、この大宇宙を巡った。そして何処かに自分たちと同じ知的生命体は存在しないかと、探し回ったのである。その結果発見したのが、銀河系太陽系の第三惑星、即ち我らが地球に住む、我々人類という訳。  地球と人類とに大いに興味を抱いたサクラ星人たちは、徹底的に調べ上げた。当時の地球は、まだ桜のない時代。人類社会は文明を創造して、まだ間もない頃だった。人間たちの多くは、戦いや、食べ物を手に入れる日々の生活に、疲れ、傷ついていた。サクラ星人たちは、そんな人類の姿に憐れみと同情を覚えたのである。  我らが宇宙の仲間、太陽系の第三惑星人たちを、慰めて上げなきゃ……。  サクラ星人たちはその志を果たすべく、早速行動を起こした。地球への派遣部隊『第三惑星人慰め隊』を速やかに組織し、UFOサクラ1号に乗って、遥々地球へとやって来たのであった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!