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(三)第三惑星人慰め隊
UFOサクラ1号で地球に着陸した、第三惑星人慰め隊メンバーのサクラ星人たち。場所はアジアの片隅。先ずは人間たちの生態を観察すべく、メンバーのひとりが街中へと出掛けた。
ところが人間たちは突如現れたサクラ星人を取り囲んで、じろじろと物珍しそうに見るではないか。成る程確かにサクラ星人と人間、似てはいるが所詮別の生きもの。お互い違う星で生きているのだから、当然といえば当然。
サクラ星人を見た人間たちは、こう言って罵倒し、或いは恐れた。
「なんだ、このピンク色の鬼は」
そう、人間の目に映るサクラ星人の姿は、恐ろしい鬼だったのである。怖がった人間たちは集団で、サクラ星人に石を投げつけた。
「いててて。うわーっ、これはたまらん」
吃驚したサクラ星人は、さっさとUFOに逃げ帰ったのである。
「困ったな。これじゃ我々は、この星に滞在出来ないではないか」
「どうしましょう、隊長」
「このままじゃ、第三惑星人たちを慰められませんよ」
「諦めて星に帰りますか、隊長」
「うーん、どうすべきか」
第三惑星人慰め隊の隊長とメンバーは大いに悩み、考え込んだのだった。
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