花火

14/19
前へ
/19ページ
次へ
あれから、1年が過ぎようとしてる。 もーすぐ私も18。 「風俗かぁ…。」 あの後も、私はトー横にいる。 もちろん男にも抱かれてる。 でも、あの日から誰かに抱かれた後は、必ず吐いた。 そして、翌日は和哉の家に泊まりに行く。 和哉は私を抱かない。 和哉は、何も言わない。 でも、毎回一万くれた。 これは助かる。 昼間補導されないためには、ネカフェ入るしかないから。 でも、お金もらうたびに、違う気がして、また男に抱かれて稼いだ。 和哉は、帰ってこないこともあった。 でも私は和哉の家に行ってる。 …この時までにもっと気をつけてればよかったのに。。。 8月8日が近づいたある日、和哉からLINEが入った。 「8月8日また花火しよ!」 仕事大丈夫なんかなー。 でも毎回一万くれるって、そこそこ稼いでるのかな。 の割には寮出てないしな。 不思議と1年経っても、誰も新しいホストは寮に入ってこなかった。 8月8日の前日、和哉の家に行った。 もう花火が買ってあって、笑った。 和哉の前なら、素直に笑えるようになってた。 7日から8日に日付が変わって、2時間くらいして和哉が帰ってきた。 「ただいま。」 「あれ?今日酔ってない?」 「今日は、ノンアル営業した。」 「は?」 「花火のために、体調整えないと!」 「どんだけ気合い!笑」 「いただきます。」 和哉の家に来る時、私は毎回ご飯を作る。 和哉がいてもいなくても。 「ね、舞。」 「なにー?」 「舞、前、もーすぐ17って言ってたじゃん? 今、17ってことでしょ。誕生日いつ?」 「…もう18になった。」 「ん?」 「2時間前に18になった。」 「は?!え?! じゃあ8月8日が誕生日ってこと?」 「うん。」 「一緒じゃん!なんで言わないの?」 「聞かれなかったから?」 「あー!!!! 大事なことなのに!!!」 「誕生日ってそんな大事?」 「俺にとって舞の18の誕生日が大事なの!」 「なんで?働ける歳だから?」 「違う!! よかったぁ、今日ノンアル営業しといて。」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加