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心の声が聞こえたのか、おにーさんは、説明してくれた。
「あ、これ?
ちょっと酔っ払いのお客さんが、ボトル割っちゃって、暴れるから抑えたら、割れたボトルで殴られて、今、病院で縫ってもらったとこだから。
あ、でも大丈夫大丈夫。
今は、麻酔効いてるから。」
あー、ホストか。
大変だな…なーんて思わない。
トー横キッズも売れないホストも変わんない。
朝方、道端で潰れるホストの方がきしょいかも。
うちらは、誰かが取ったホテル泊まったり、男の家で寝たりするし。
男子だって、寝たがるジジイやババアはたくさんいるから。
道端で寝たら即補導じゃん。
「ね、お水いる?」
私がテキトーに考えてる間、この売れないホストは、一応心配してくれてたらしい。
「んー、冷たいの飲みたいかも。
でもお水よりお酒がいいな♡」
わざとかわいこぶって言ってみる。
だってもーちょい寄った方が、男と寝た時、楽だから。
「だめ!ほら立てる?」
売れないホストは、私の腕を掴んで立たせようとする。
「ちょ!痛いよ!」
「あ、ごめ…。」
スカートの裾をパンパンと払いながら、自力で立つ。
売れないホストのお陰で、シラフになったわ。
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