第9章

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慶応4年1月3日、鳥羽伏見の戦いが起きる この戦いによって多くの隊士達が亡くなることとなる一‥ 新撰組は伏見奉行所に身を置き、怪我人が多く運ばれてきていた そこで私は怪我人の救護をする事になっていた 次から次へ怪我人が運ばれ、怪我に苦しみそのまま命を失っていく隊士達 そんな状況を見続ける私の心は少しずつ悲鳴を上げていた‥ ‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥ 隊士達が奉行所に戻って来たら、亡くなった隊士達を外に運び埋葬をする この数日で何度繰り返したのだろうか‥ 外を眺めていると肩を叩かれる 振り向くと土方さんがいた 「‥大丈夫か」 私を心配そうに見る土方さん 心配そうに見る土方さんも疲れきった表情をしている 『土方さんこそ大丈夫ですか?かなり疲れきっているようですが‥』 「俺は大丈夫だ」 『無理はしないでください。近藤さんがいない今、土方さんを頼るしかないんです。だけど土方さんまで倒れてしまったら‥』 気がつくと私は土方さんの胸の中にいた 『土方さん‥?』 「すまないがもう少しこのままでいさせてくれ」 私を包み込む腕は微かに震えていた 土方さんも色々な思いを抱えているんだ‥
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