思い思われ嵌め嵌まり

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店を出て、駅に向かって歩く。  景子の手は、しっかりと隼人に握られていた。 隼人の気持ちが手の平から伝わってくる。 ふと景子は足を止めた。 「どうしたんで――」 言いかけた隼人の唇を景子が塞いだ。 ゆっくりと唇を離すと、隼人は薄く唇を開いたまま固まっていた。 「そういうこと……です」 景子が口にすると、隼人は安堵の表情を浮かべてから笑顔を零した。 「本当は、私が先に一目惚れしたんです。恥ずかしくてなかなか言い出せなくて。あの日見た隼人君の笑顔に惚れちゃいま――」 今度は隼人から優しいキスが落とされた。 【完】
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