思い思われ嵌め嵌まり

11/25
前へ
/25ページ
次へ
さらに翌日。今日彼の姿を見たら、次は景子の休日と彼の休日を挟んで、また景子の休日と続いて、しばらく会えない。しっかりと目に焼き付けておかなければ……などと考えていると、彼が姿を見せた。 信号が青に変わったが、彼はその場に留まっていた。そして辺りを見回しているうちに信号が赤に変わった。 どうしたというのだろう。 彼は端のほうに移動して、ずっとキョロキョロしている。誰かと待ち合わせをしているのだろうか。仕事中だとすると、会社の人か仕事関係の人、最悪の場合は、彼女が現れるなんてこともあり得るわけで……景子は固唾を呑んで見守った。 しかし結局誰も現れず、十分程経つと彼は横断歩道を渡り姿を消した。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加