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「戻りましたー」
昼休憩を終えた景子が店のガラス扉を開け、軽やかな声で言った。
「おかえりなさーい」
と数人の明るい声が返ってくる。景子はアパレルショップで販売員として働いている。
「ねえ景子、どうだった?」
同じく販売員で友人の橋野広美から声を掛けられた。
「あ、広ちゃん! いたよ! いたいた!」
「じゃあやっぱり会社がこの辺なのかもね。良かったじゃん」
「うん。もうすっごいドキドキしちゃったよ」
景子は嬉しさが抑えきれず、頬が緩みっぱなしだった。
「その彼、今頃すっごい考えてるんだろね。『誰だ? 取引先の人か? いや、この前行った居酒屋の店員か?』なんてね」
慣れた手つきでカットソーを畳みながら広美はクスクス笑った。
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