思い思われ嵌め嵌まり

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翌日も期待に胸を膨らませ、景子はまた同じ時間にその場所へ向かった。 車道を挟んだ向かい側で彼が来るのを待ち、青信号をニ回見送った。そして赤信号になったところで、彼が姿を見せた。 おそらく彼の会社はこの辺りなのだろう、という景子の読みは当たったようだ。 彼は今日も手ぶらで何処ということもない場所を見ながら、信号待ちをしていた。 景子の胸は高鳴った。 長身の男性の陰に隠れて、彼を盗み見する。 信号が青に変わると景子は姿勢を正してゆっくりと歩き始めた。こちらに向かって歩いて来る彼の位置に合わせて微調整しながら……。 彼との距離が三メートル程になった時、目が合った。 少し驚いたように眉を上げてから景子が会釈すると、彼も同じ表情で会釈した。勿論景子は演技だが、彼は本当に驚いている様子で、一瞬立ち止まったように思えた。 三日連続で同じ人物と顔を合わせているのだから、そうなるのも当然だろう。
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