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美夏は会社を辞めて貴志と結婚した。だけど専業主婦になった訳では無い。システムエンジニアとしての道を歩み始めていた美夏だったが、やりたいのはこんな事じゃ無い、と気付いて会社を辞める決断をしたのだ。
結婚するしないに関わらず、美香にはやりたい事があって実行に移そうと思っていた。そんな時に突然貴志からプロポーズをされた。貴志が人生のパートナーとして最良であると思ったから受け入れた。たまたまプロポーズされたタイミングが新しい事を始めようと思った時期と重なった。そう言う事になる。
美夏は海外の雑貨を取り扱うショップを開いた。最初は店舗を持たずにネットショップと言う形でスタートした。
美夏は貴志と知り合う前から雑貨屋を巡るのが好きだった。海外旅行に行って直に手にしてみたり、ネットで探し回ったり、自分で買う事ができる量は限られているが、気に入った雑貨を友人、知人に薦めたりして、気に入って貰えるとそれが妙に嬉しくて、これを仕事に出来たらどんなに幸せなんだろうと思い、実現させたいと言う願望が少しづつ膨らんでいき、行動に移した。
美夏にとって結婚と言うのは悪い選択ではなかった。新しい事を始めると言っても生活基盤が無ければ、始める事も続ける事も出来ない。貴志と結婚した事で安定した生活を手に入れた。その生活の中で少しづつ新しい事業を育てていけば良い。無理する事無く、最初はお小遣い程度の収入でも良いし、仮に実入りが無くても生活が保障されている訳だから問題はない。
貴志は、美夏の事業を趣味の延長線上だと思っていた。ところがいざ始まってみると、センスの良さとか、流行を感じとる力とか、価格設定の絶妙さとか、色んな面で美夏は長けていた。美香が運営するオンラインショップは、みるみるうちに成長し、気付いたら貴志の収入を大きく上回っていた。それは目を見張るほどの成長ぶりだった。
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