常連客のプレゼント

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常連客のプレゼント

夏の最近の困りごとは常連の川端さんというお客さんの事だった。 彼は三十半ばで仕事はアダルトグッズの営業。新しい大人のおもちゃが発売されると夏に試してみてと持ってくるようになった。 お客さんだから無下にもできず、きっぱりと私は使いませんと断った。 しかしマスターは「試しに僕が使っちゃうかもしれませんよ」と川端さんに冗談っぽく言いながら、頂きなさいと言った。 「まぁ、もらうだけもらってよ。今度の凄いんだ相手をその気にさせるスーパーデラックス媚薬」 惚れ薬?精力剤?頂くのは良いんだけど、夏の部屋には川端ボックスなるものが存在しあらゆる大人グッズが目いっぱい溢れそうになっている。 「……なんだかそれ、体に有害な気しかしないんですが」 「大丈夫ちゃんと試験済みのやつだし今度新しく発売される時は販売価格は1本1万超高級品ドリンク」 笑いながら可愛い袋に入ったその怪しい飲み物を受け取る。 お客さんのプレゼントはよほど高額なもの以外は喜んで受け取ってといわれてるが、体に入るものは流石に恐ろしくて間違いなく使わないだろうと思った。 使用後の感想を求められることはないが、いつか二人で試そうねと川端さんから必ず言われるので、その都度苦笑いをしてしまう。 「ありがとうございます。もう1杯飲まれますか?」 「冷たいな……まぁ、高嶺の花だからねそのクールさも魅力だよ」 いくら冷たくあしらっても、店に通い続けてくれているので、このプレゼントに困ってはいるが川端さんは上客だった。
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