四国

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淡路島の絶景オーシャンビューのレストラン。潮風を感じる開放的なテラス席で、シェフ厳選のプレミアムビーフを楽しんでいる。 東京ではこんな贅沢は味わえなかった。何より景色が最高で潮風も気持ちがいい。そして値段も都会の半分くらい。 「再会に乾杯だな」 笹野さんはノンアルコール、夏にはシャンパンを頼んでくれた。 「明日休みじゃないでしょ?仕事辞めたんですか?こんなに毎日四国にいるなんておかしいです」 「いや、俺、神戸に住んでるから、ここなら余裕で通える」 「はい?」 「明石海峡大橋渡ってすぐだしね」 「東京でしたよね?なんで神戸なんですか」 「東京へは君に会うために毎週新幹線で通ってた。住んでるのは神戸。職場も神戸、仕事で東京へは行くけどそこまで頻繁には行かない」 「嘘でしょ……」 名刺を渡された。株式会社 久徳リゾート 代表取締役社長? 「嘘でしょ……」 「淡路島に会社が借り上げているリゾートホテルがあるから今はそこから出勤している」 「嘘でしょ……」 「嘘じゃないよ」 笹野さんは優しく微笑んだ。 「……嘘でしょ……」
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