393人が本棚に入れています
本棚に追加
淡路島の絶景オーシャンビューのレストラン。潮風を感じる開放的なテラス席で、シェフ厳選のプレミアムビーフを楽しんでいる。
東京ではこんな贅沢は味わえなかった。何より景色が最高で潮風も気持ちがいい。そして値段も都会の半分くらい。
「再会に乾杯だな」
笹野さんはノンアルコール、夏にはシャンパンを頼んでくれた。
「明日休みじゃないでしょ?仕事辞めたんですか?こんなに毎日四国にいるなんておかしいです」
「いや、俺、神戸に住んでるから、ここなら余裕で通える」
「はい?」
「明石海峡大橋渡ってすぐだしね」
「東京でしたよね?なんで神戸なんですか」
「東京へは君に会うために毎週新幹線で通ってた。住んでるのは神戸。職場も神戸、仕事で東京へは行くけどそこまで頻繁には行かない」
「嘘でしょ……」
名刺を渡された。株式会社 久徳リゾート 代表取締役社長?
「嘘でしょ……」
「淡路島に会社が借り上げているリゾートホテルがあるから今はそこから出勤している」
「嘘でしょ……」
「嘘じゃないよ」
笹野さんは優しく微笑んだ。
「……嘘でしょ……」
最初のコメントを投稿しよう!