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「いやぁ、新婚夫婦のお邪魔をして申し訳ないと思ってるんだがね」
義父よ、そう思っているなら今日は遠慮して欲しかった……だが、気の弱い僕にそんなことが言えるはずもない。
「君に嫁がせて名前も変わった娘に執着するのもあれなんだがね。今更ながら、以前娘とした約束を果たせていないことに気づいてしまってねぇ」
アハハと笑いながら義父は頭を掻いた。
「ちょっと明日一日、お借りできないかと思って!」
この期に及んでこのおっさん、とんでもないことを言い出した。
「このまま嫁がせたんじゃ、心残りなんだよ、頼むよぉ」
お義父さんは両手をすり合わせて頭を下げてくる。ここまで頼まれちゃしょうがない。そもそも僕は拝まれたら断れない体質なんだ。
「わかりました」
「いやぁ! ありがとう!」
義父は嬉しそうに微笑んだ。
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