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ピアノ練習方法についての研究その2~容赦なく妥協せよ~
最初に驚愕の事実を紹介しよう。スポーツジムに入会した者のうち1年間継続した者はたったの4%だ。これは統計データによって裏付けられている。
ピアノの継続率に関するデータを私は知らないが、恐らく独学者の継続率は外的圧力が働かない分、ジムより低いのではなかろうか。
ピアノに限らず何かを新しくはじめる際、最大の懸案事項は継続できるかどうかである。よって最初にすべきは習慣化という事になる。習慣化に関してピアノの場合、3年という目安を提示したい。一般に何かを開始して1年間継続出来ても2年目に辞める者はかなり多く、習慣が定着したと判定するには3年程度必要だ。
他の物事の場合、習慣化にはそれほど期間はかからない場合も多いが、楽器は難易度が非常に高いため3年という目安を設けた。
この3年は、ある程度楽譜が読めるようになり、指がある程度慣れるのに必要な期間だ。
ピアノは初級者の期間が長いと言われ、密度の濃い練習をしても初級者卒業に6~7年程度必要という話もある。
しかしそれではあまりに長いので、ある程度の習慣化と慣れに必要な期間として考えると3年ぐらいが妥当だろう。
さてこの3年をいかにしのぐかで挫折するか否かがかなり決まってしまうわけだが、どういった工夫をすればよいだろうか?
私が回答者ならば明確な答えがあり、それはレパートリーを増やすことである。一般にピアノはプロもアマも練習時間の割にレパートリーが少なすぎる。
このレパートリーの少なさがマンネリ化に繋がり、挫折の最大の原因を作っている。
レパートリーを増やすために必要なのが妥協だ。自分にとってどうでもよいと思う要素、テクニックについて容赦なく妥協する必要がある。例を挙げるとスタッカートやレガート奏法だ。スタッカートやレガートを無視しても曲の質感はあまり変わらない。
よって気にならないのであればこれらを無視し、曲の完成までの期間を縮める事を勧める。
このように短い周期で曲を完成させ、次の曲に進みレパートリーを増やすのである。
またメトロノームも不要である。私の知り合い何人かに質問した結果、全員がメトロノームを嫌っていた。こういうつまらない練習は曲の完成までの期間を増やしてしまうだけで、初期には何の役にも立たない。練習が習慣化した後、使いたい人はメトロノームを使えばよいだろう。
とにかくつまらなく感じる練習、どうでもよいと感じる練習は一切やらない、これを最初の3年間の鉄則にするとよい。このやり方だと普通のやり方よりも曲を沢山こなすので楽譜が読めるようになり、さらに指の動きが柔軟になる。指を柔軟にするには色々な曲をこなすしかない。同じ練習ばかりしていると指は硬直化してくる。色々な曲をこなし、指を柔軟にし、楽譜スラスラを読めるようにしておくと4年目以降が一気に楽になる。
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