ピアノ練習方法についての研究その3~初期にやっておくべきこと~

1/1
前へ
/9ページ
次へ

ピアノ練習方法についての研究その3~初期にやっておくべきこと~

基礎に甘えない、容赦なく妥協する、これらはピアノ練習の基本になるわけだが、初期になるべく妥協なく習得したい技術がいくつかある。 まずはフォームである。特に初期はどうでもよく感じる点を妥協し、レパートリーを増やすことが重要だが、フォームはこだわって身に付けて欲しい。 なぜならフォームさえ身に付けてしまえば、後は独学で適当にやっていても確実に上達するからである。フォームが汚いと指を素早く動かす時に困難が生じ、後々苦労する。 といっても考える事は単純で肩の力を抜く、手首を上下左右に無駄に動かさないといったポイントを意識して弾いて欲しい。また、椅子の高さ、椅子とピアノの距離も重要である。前腕がピアノと平行になり、肘の角度が約120度になるように調整する。こういった事は入門書に書いてあるはずだから、入門書のフォームの所だけは熟読して欲しい。 テクニック的な事に関しては白鍵のスケールとアルペジオをまず習得すると後々楽になる。スケールとアルペジオに関しては、全パターンをやる必要はなく、まず白鍵だけ、余裕があれば7~8パターン習得しておくと練習していないパターンについてもすぐ弾けるようになる。 毎日の練習の最初に白鍵スケールとアルペジオを弾くのがお勧めだ。スケールとアルペジオを正しいフォームで弾けるようになると、それを応用してすぐに曲全体を正しいフォームで弾けるようになる。 それから弱い指の訓練のために34トリルと45トリルをやっておくとなおよい。また、単純な曲でよいので音の強弱をはっきりとつけられるようにするのも指を鍛えるためには重要だ。入門書はバイエルを重要なポイントに絞って練習するのがお勧めだが、使うものは何でもよい。 好きなジャンルがあるならそれの初級アレンジ集がよい。ポップスが好きならばポップスの初級アレンジを使うとよい。 また、基礎に甘えないというスタイルを初期の頃に確立しておくと上達が著しく速くなる。くどいようだが、基礎に甘えないというのは上達のための最重要ポイントだ。初期の頃から自分にとって適切な負荷を探す習慣を身に付けるとよい。 例えば45トリルが楽に弾けるなら、2の指を保持(2で鍵盤を押さえたままということ)したまま45トリルを弾くというように、適切な負荷を絶えず模索して欲しい。 ある曲が弾けるようになったら、ブラインドタッチで弾いたり、速弾き遅弾きをするのもよい。私のお勧めは、自分で勝手に曲の中で強く弾く音を作る事だ。指のコントロールを自在にするのに役立つ。 フォーム、白鍵スケール、アルペジオ、トリル、強弱、それから入門書。これらの事がある程度こなせるようになったら次のステップに移ろう。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加