ピアノ練習方法についての研究その5~費用対効率最高のブルグミュラー25について~

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ピアノ練習方法についての研究その5~費用対効率最高のブルグミュラー25について~

バイエルを終了させたら、次の教本はブルグミュラー25の練習曲、ツェルニー100番練習曲、プレインベンションの三択になる。ここでの注意事項はどれか一冊でよいということ、それから飛ばし飛ばしでよいということである。教室に通っている場合、全部やらされる可能性があるが、それでは間延びし過ぎる。 ツェルニー100番は曲が多すぎて何をしていいのかがわからなくなるし、プレインベンションはつまらない可能性がある。バッハ系は必須とされているが、技術的な事を考えると、音大受験をしないのならばバッハはスルーして構わない。 ここではツェルニー30番練習曲を併用したブルグミュラー25の活用法を詳述する。ハノンやツェルニー100ではなく、ツェルニー30なのもポイントだ。 なお、ハノンについてであるが、練習が甘くなるので、上達を真剣に考える人はスケール、アルペジオ、3度、あくまで暫定的に第一部といった部分的な使用を除いて使わなくてよい。筋トレや勉強も同じだが、甘い練習に慣れてしまうのは非常に危険だ。それならば何もしない方がよい ブルグミュラーの特徴は曲毎にポイントがあること、ハノンやツェルニーよりも音形が変則的である事、レベルの割に比較的速度が速い事、それから誰も指摘しないが短い周期で五指が全て出てくる事である。 こういった特徴を備えるブルグミュラーでやっておきたいことは五指の平均化だ。すなわち指によって音に強弱をつけずに、均等な打鍵の強さで弾く能力の獲得である。指番号1の親指、2の人差し指、3の中指は強い音になりやすく、4の薬指と5の小指は弱い音になりやすい。これを不規則な音形、かつ五指が短い周期で全て出てくるブルグミュラーで、均等な音量で弾けるように訓練する そのために4と5の指だけ強く打鍵する、2回打鍵する、また、1音ずつ長く打鍵する練習が効果的だ。これを単純な音形のバイエルやハノンの第一部で練習した後、不規則な音形のブルグミュラーで練習するとよい。お勧めの曲はNo1.2.5と12.16.21だ ブルグミュラーを何曲かこなしたら途中からツェルニー30番を併用すると効率がよい。ツェルニー30は一応1つ上のランクだが、ブルグミュラーとさして変わらないので、クラシックをやりたい人はスケール、アルペジオのためにこの段階から併用するとよい。No8.9.15.30あたりをブルグミュラーと並行して進めていく。ブルグミュラーを何曲かこなした後ならば、ほとんど違和感無く取り組めるはずだ。 ブルグミュラーは飛ばし飛ばしでもよいし、全曲やってもよい。ブルグミュラーを全曲こなし、ツェルニー30番を10曲ほどこなすと、どんなタイプの曲に移行しても対応できる全方位型の能力が身に付くので、様々なタイプの曲を弾きたい人は全曲こなすのがお勧めだ。
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