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紅茶を飲みながら肩を並べ、久しぶりに隼一と一緒にテレビを見てる。 が、あの頃に戻ったかのように、心臓はうるさいし、番組の内容も上手く入っては来ない。 隼一が隣にいる、という現実だけで、こんなにも部屋の空気すら違って感じる。 「...灯真、たまに実家に連絡したりする....?」 紅茶のカップを片手に、テレビ画面を向く隼一が切り出した。 「や...たまにはするけど、そんなには。あ、大学、受かって間もなくさ」 「うん?」 「母さんから紹介されて...再婚したんだ、うちの親」 途端、隣の隼一が俺を笑顔で見つめた。 「へー!良かったじゃん。上手くいってる?」 「うん。母さんも、仕事、掛け持ちしなくても済むようになって...リアルタイムで報告出来なかったね、ごめん」 「それはもういいよ。でも、おばさん、再婚かあ。懐かしいな」 「変わらず元気だよ」 「うん....」 隼一が何処か遠い眼差しに変わる。 けど、口元は仄かな笑みがあった。 「あの頃さ、どうして、親に言わないんだ?てお前に聞いた時にさ。お前、母さん、離婚して間もなくて、仕事に家事に子育てに大変だから、母さんには黙っていて欲しい、て言ったお前がさ、すげー男らしいな、て、感じたんだよな」 「....そんな事、言ったっけ?俺」 「言ったよ。あの頃、お前、小さくて細っこくて、でも、中身は男らしいな、て尊敬したんだ。....お盆さ、一緒に地元、帰んない?」 俺の顔色が曇る。 すぐに隼一が察したのに気づいた。 「心配するな。お前は俺が守るから」 胸がきゅ、とした。 「....それ、中学ん時、言ってくれたよな」 「そうだっけ?」 隼一がわざとらしくおどけてみせた。 「....もう守ってくれなくっていいよ」 隼一から笑顔が消えた。 「俺が隼一を守れるようになりたいから」 隼一を見て微笑むと、顔を見合わせた後、隼一の微かに上がった口角の唇に顔を近づけ、瞼を閉じた隼一にキスをした。
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