記憶喪失の僕と約束の手紙

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そこで女性は語りだした。「そうだね○○くんと出会ったのは幼稚園の頃かな。それで家が近かったこともあって、トランプしたり、公園を駆け回って遊んだんだよ。それで中学生の頃○○くんは東京の方の高校に行くからってなって」長い懐かしいはずの話。でも何だろ?ほんの少しズレを感じるというか違和感があるというか?とにかく覚えてないはずなのに変な感じ。相手の顔かな?表情が知らないことを話してるみたいで……「それで夏祭りに行ったんだ。それから花火をここで見てまた10年後会おうって約束したんだまあ花火は今はやってなくて灯籠流しに変わっちゃったんだけどね」なのに話が頭に入ってこない。チガウチガウチガウチガウチガウチガウ違うんだ。と脳が叫んでいる「うわぁぐわぁあぁ」変な声が出て発狂する自分。 おかしいほんの少しのフラッシュバック。 家族と旅行に行ったときやほくろのある親友と遊んだときの様子。どんどん目の前で光景が繰り返されていく。 そんななかで叫びだしたくなる光景が一つ。眼の前の女性じゃない。右目下にほくろのある少女が誰か何かに刺され血しぶきを吹いている光景。本来約束したはずの少女後ろに花火が。僕は叫んで逃げて、逃げて、逃げて、逃げて、逃げた。大人に助けを呼びに行った。でも少女は大親友だった□□は………間に合わず物言わぬ死体になっていた。 そうだあの日約束したはずの相手は殺されて、手紙は最後の言葉だったんだ。と。
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