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※ ※ ※
「んめ」
「ありがと。ちょっと甘すぎないか不安だったから、ほっとした」
テスト勉強が終わっても明宏はまだ、桃佳のソファに座っていた。「マカロン作りすぎたから食べてって」と彼女に引き止められたからだ。
「てか、まじでいいの? 俺とこんなことしてて」
部屋に入ってきた時よりも遠慮の薄れた声で、明宏は親友の恋人に訊ねた。
「大丈夫だよ、これくらい優くんはゆるしてくれるはず」
ゆるすわけないだろ、と心の中で聞こえた声を遮るように、桃佳は続ける。
「というか、ゆるせって感じ」
「何かあったの?」
必然的な声色でそう訊いてから、明宏はコーヒーカップを口に運び、中身がないことに気がついたらしくテーブルに戻した。
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