Present in Her Room

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 ※ ※ ※ 「……まじか、それはまあ、あいつが悪いな」 「明宏くんもそう思う?」 「うん、一緒にいたいのはわかるよ。でも、留学はずっと桃佳の夢だったじゃん。それを辞めろってのは、器が小さいってか、ねーわ」  桃佳は答えず、一口サイズのマカロンの半分をかじる。恋人からもらった壁時計に目を合わせ、「うわ、こんな時間」と呟いた。 「ねえ、わたしもう要らないから食べて」  明宏の口元に、ピンクのマカロンが運ばれる。断面に付着した唾液が、蛍光灯の光を反射して煌めいた。 「は?」 「太るから」 「いいのかよ」 「ん?」 「いよいよ怒られるぞ、あいつに」 「大丈夫、これくらい優くんはゆるしてくれ——」 「ゆるすわけないだろ」  耐えかねて飛び出した僕の声に、画面の中の二人は耳を傾けなかった。
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