親友が落ちてきた

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 目の前に、親友が落ちてきた。  ベシャリと不気味な音を立てて地面に身体を叩きつけた親友は、ドクドクと大量の血を流す。  仰向けで血溜まりの中に浮かぶ親友の目には光りはなく、だらしなくポカンと開いた口はもう自力では閉じることは出来ないだろう。  動かなくなった親友をじぃと見下ろす。すると親友の遺体(カラダ)は徐々に透明になっていき、1分も経たない間におびただしい血液ごとすっかりと消えてしまった。  場所や頻度や時間、果ては寝ても覚めても。こちらの都合など関係なく親友は毎日私の前へと落ちてきて──そして消える。こんなおかしなことになったのはいつからだろう? ああ、そうだ。親友が学校の屋上から転落死してからだ。
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