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私とスミレは当たり前の様に同じ高校へと進学した。
化粧を覚えた彼女はその美貌を更に飾り立てて男子達の注目を集めた。だが中学の時とは違い、誰にでも愛想を振り撒くのではなく女子人気の高い男達を選んで彼女は誘惑していった。
人気の先輩やクラスメイト、校内でめぼしい人物がいなければ他校の男子。男をブランド物感覚で身につけ、数ヶ月したら捨てて新しい物へ。そんなことばかりを繰り返すスミレに「いつか誰かに刺されるよ」と私は強く警告を続けた。すると2年に進級する頃にはスミレはすっかりと大人しくなったのだ。
「スミレ、なーんか飽きちゃったの。しばらく男はいらないから、コツユちゃんと遊ぼうって思って」
私の警告が響いたわけではなさそうだが、相変わらず同性の友人がいないスミレは私の元へ来るしかなかった様だった。
だが急にすり寄って来られても困るのだ。男漁りに夢中になっている時はこちらのことをまるで無視していたくせに(厄介事になったら助けを求めてきたが)、こちらの都合を考えてほしいと心底思った。
だって私はこの時恋をしていたのだから……。
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