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4.
突然、ウサギが海のほうを指差して言った。
「あれは何でしょう」
ミニブタもそこを見つめた。波の間に白い小さな点が浮かんでいる。
「まさか…、アヒル?」
ミニブタが呟いた。
「海にアヒルなんて…」
ウサギはそう言いかけたが、途中でやめた。自分達だって、歩いて外国にまで行っているのだ。海を泳ぐアヒルがいてもおかしくはない。
でも、あまりに遠すぎて、あの白い点が本当にアヒルなのかどうかは分からなかった。クジラかイルカの背ビレかもしれないし、小型の船か何かという可能性もある。
白い点は、二匹の目の前の海をすいすいと横切って、どこかに姿を消した。
「行っちゃいましたね」
「はい…」
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