がぶりエル

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がぶりエル

 最近たくさん遊んでないからか、帰宅後の出迎えが激しい。  玄関飛び出し注意は当たり前として、その後である。  攻撃的ともとれる鳴き声にてᏚ字スラローム。  ここから先は、やはり猫様のご家庭ではあるあるなのだろうか。我が家だけかどうか心配だ。  私が荷物を片付けたり着替えたりと歩くたびに、狩りにくる娘。  それは楽しそうに且つ勇猛果敢にアキレスへとダイブ、からの噛み、からのホールディング・キック。  使えるアイテム全投入して私の動きを封じにかかる。  凄き執念。  初めのうちは、降ろす足の片方ずつ交互を狙いにきてたので、私もヒョッコヒョッコ大きく足上げ歩きで70%の回避率を誇っていた。  だが、さすがはハンター。  大縄跳びの原理でリズムを合わせてきた。  左足一点狙い。弱い方を狙う心理。  これの導入により回避率を30%まで下げてしまった。しかし、いくら下僕の私でも簡単にガブガブさせるわけにはいかない。  秘策:ホバー風ツーステップ!  覚えたリズムを狂わせる作戦だ。  よし、こい!  娘の学習能力の高さと我が知能数の低さ。よりハントしやすくなったらしく、回避率を15%まで下げることとなった。  どうしてこんな噛み癖がついたか。まあ理由は簡単。 『噛みまくった→遊んでもらえた』  遊んだというより違うところに意識を移そうとした結果が遊んだになり、覚えちゃったとなっている。  ただ、攻防の中分かったのは『素肌なら噛むにゃん』ってこと。足元は、裾が長いだけじゃ足の甲が犠牲となる。短い靴下とのコラボだと隙間をついて足首が犠牲となる。だったらと思い、冬用靴下で裾部をニッカ風にしてみた。  すると娘のチャレンジ失敗が続きだしたのだ。  私はここに勝利を確信し、この冬は越せる✨とたかをくくったのである。  だが、まさかのスライディング(驚)  そして、ハント(汗)  そして、ホールディング(怖)  布・衣類でのカバーはいともかんたんに突破。  主要一本の足をターゲットにし、進行を完全に封鎖。    回避率……〇%。  天使の一撃 がぶり。 0828a164-16c8-48bb-80f7-fb515138b43f 『(´-`).。oO早く遊ぶにゃ』
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