ゲロリエル

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ゲロリエル

 朝起きて、まだ寝ぼけていたり暗がりだったり。そんな廊下で、にちゃっとするものを踏む経験は誰しもあることかと思う。踏み込むその一歩の場所へわざわざ仕掛けるゲロリエル。  液体だったり固形まじりだったり。  液体の場合は、体を張ったアピールだということを知った。初めての時は大層驚いたが、それがまさかの胃液や胆汁、空腹時に逆流して吐き出すのだというから、大したものだ。それからは、置き餌をするようになったのだが、夜中の置き餌をスルーしての胃液は、私から表情を奪うこととなる。  それを、踏む。  朝から拭き掃除。 「ねーねー拭いた〜」のような感じで作業の邪魔をしてくる娘も、可愛いよ。  ちなみに、固形まじりは割と厄介である。なぜなら、見つけにくいか片付けにくいところがお好みだからだ。  筆頭であげるのならば、窓辺のサン。  娘は自分のちょっとしたタワーに登り、そこから首だけ外側にだし、吐き落とす。そこが、サン。  自分の寝床は死守するあたり、憎むに値しないやり手な娘であることには違いがない。  他の場所で発生した場合は、掘り掘りするので周辺の何かが被るため数日気づかないことがある。夏は危険と隣り合わせ。    まあ、なんにしても吐くという行為は体に負担なので、なくなってほしいものである。  ゲロリエルもウンモラルも私が気づいてあげないと、大騒ぎだからお給仕が大変だ。  蹴られても、踏まれても、噛まれても、吐かれても。  私に与えられた使命としては、下僕の地位がある。我慢できずに下僕ってしまう私は、一生マウントを取ることなどできないのであろう。  だが、それもまた、幸せのカタチなのかもしれないにゃ。 cf9d7a91-0270-4e1a-ba91-0a1049f1fe45 『(´-`).。oO何見てるんにゃ』
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