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◇ ◇ ◇
本当は好きでしたーーーー君のことが、誰よりも、なによりも、好きでした。
僕は知ってます。
いつもは無表情の君が笑うと、とっても可愛いこと。恋愛が上手だと巷の女子に思われている君だけど、本当は恋に疎いこと。実は、とんでもなく不器用なこと。実は、茄子が嫌いなこと。実は、子供っぽいこと。実は、泣き虫なこと。
誰よりも君のことを知ってる自信があります。だって、幼馴染だもの。
君は、僕のことを、ただの“幼馴染”としか思ってこなかったかも知れないけど、僕は、君のことを“好きな人”として捉えてました。
ごめんね、ただの幼馴染になれなくて。
ずっと、“幼馴染”だと、僕は心に言い聞かせました。君は僕の“好きな人”ではない。ただの“幼馴染”だと。この感情は恋ではない。友情なのだと。
だけど、どうしようもなく好きでしたーーーー今も、これからも、君のことが好きです。
ずっと愛しています。そう言える自信があるのです。それだけ僕は、君のことが大好きなのです。
だけど、応えてくれなくていいと思ってます。君に告白するつもりはありません。振られたら立ち直れる気がしないし、この“幼馴染”という関係が崩れるのも嫌だし、そもそも、勇気がありません。
意気地なしなのです、僕は。
あまりにも意気地なしで、情けないです。君と女の子が喋ってるのを見て、一喜一憂するのにも疲れて、嫌になって、自分が嫌いになって、もう嫌なのです。
いや、まったくもって君のせいではありません。これは、僕が悪いのです。
勝手に好きになって、勝手に疲れて、勝手に逃げてーーーーこんなにも愚かで意気地なしの僕を許して下さい。
いえ。
許さないで下さい。僕のことを嫌ってください。クソ野郎とでも罵ってください。嫌いだと叫んで下さい。僕を嫌いになってください。
そして、僕から離れていってください。
僕のことを憎んで、呪って、近づかないでください。僕は、君のことが大好きです。だから、近づかないでください。近づいたら、僕は、君を奪ってしまいそうです。君は、もっと可愛い人と付き合うべき。僕と一緒にいていい人間ではない。
少々、荒手なような気がしますが、どうか許さないで。
許さないで、離れていって。
ーーーー幼馴染以上の関係はもう望まないから。この恋を、平凡な僕が夢見るのは許されない。
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