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「残念だったな」
トーラスは、慰めるように、理仁の肩に手を置いた。理仁の病はレベル9まで進行していた。末期状態。手の施しようがない状態だ。スクラップすることもできない。この場合の廃棄ルールは、分解及びスクラップをせず地中へ遺棄することになっていた。すなわち、生き埋め。
「ごめんな、リヒト。アタシではあんたの力になれなかった」
壁に背中を付け佇むマリアは、白衣のポケットに両手を差し込み、情けない表情をした。
「いいんです、マリアさん。こんなになるまで気付けなかった僕が悪いんです。自分はロボットだということすら気付いていなかった。素直に生き埋めになります」
「そうかい、潔良いねぇ。そういうの好きだよ」
マリアは大きな口を開けて笑った。すぐに湿っぽい表情に戻ると、ボソリ呟いた。
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