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「リヒトのお腹に溜まった油の量からすると、相当な量の血液が必要だ。カレン、あんた死ぬかも知れないよ」 「構いません!」花蓮は即答した。迷いなど微塵もなかった。 「人間なのに、大した覚悟だ。あんたのこと気に入ったよ。そういうことなら、少々粗っぽいが、二人とも助かる治療術がある。それを試してみよう」  それは、理仁の腹部と花蓮の血管をカテーテルで繋ぎ、体内から血液を抜かずに中和させる方法だった。理仁の悪性油が花蓮の体内にも流れるため、地獄の苦痛を味わうことになる。理仁の為なら、花蓮は苦痛など(いと)わなかった。
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