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 西暦4035年。  環境破壊により、世界人口は10億人まで激減した。代わりに、精工なヒューマノイド型ロボットが広まり、世界には50億機あるといわれている。5人に4人がロボットという時代になっていた。    科学技術の発展により、金属骨格延長技術(きんぞくこっかくえんちょうぎじゅつ)皮膚細胞活性化技術(ひふさいぼうかっせいかぎじゅつ)が、子供から大人への成長を可能にした。  さらに材質の経年劣化を応用することで成人から老人へと歳を取らせることが出来た。機械かどうかは、見た目だけで判断できなかった。ロボット自身ですら、自分が機械なのか人間なのかを、教えられないと分からなかった。勿論、自分で腕を切り落とし、金属骨が出てくればロボットだと分かる。しかしながら、もし違ったら大変なことになる。誰もやろうとはしない。    そんなことをしなくても、人間と同じように、健康診断という呼び方で、定期的なメンテナンスが義務付けられていた。それによって、自分がロボットであるかどうかを認識できた。  何故ロボットが、人間の5倍も存在しているのか。それは、ロボットが専門店で販売されているからだ。人間がロボットを購入する目的は2つ。    1つ目は、奴隷的な使い方。  ほとんどの人間は、この目的として買っていく。例えば、労働者として。高齢者の世話や、話し相手として。ストレス発散用にサンドバッグとして。    2つ目は、人間の代替えとして。  例えば友達として。寂しさを紛らわす恋人として。信頼のおける家族として。    人間と同等の感情を持ったロボットは、固有の人格を持っていた。人間と全く同じ愛情や友情を感じるし、計算ミスや失敗もする。ただ、人間の中には『所詮は機械、生きていないんでしょ』という潜在意識があった。それが態度に現れてしまう者もまた、多く存在した。
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