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「あの、すみません」  男性が振り向く。 「今日はここでお仕事をするために来ました、リヒトと申します。よろしくお願いします」 「やあ、俺はトーラスだ。今、仕事と言ったな? ここは無人スクラップ工場。使えなくなったロボットの墓場だ。そんなところにロボットを入れてまでやらなきゃいけない仕事なんざないぞ」 「ロボットを入れて? 働きに来たのは僕ですよ。ロボットじゃありません」 「可笑しなことを言う。お前は、ロボットじゃないか」 「僕が、ロボット?」 「そうだ。お前は機械だ、人間とは違う存在なのだ」 「そんな馬鹿な。僕は、カレンと同じ……」 「では何故、お前はここにいる? スクラップ工場には、終焉を迎えたロボットしかおらん」 「何かの間違いだよ。僕は、人間だ」  理仁は後退る。
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