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「仕方無い。見せてやろう、お前が機械だということを」  工場内の片隅にある、小さな部屋に向かって歩いていくトーラスは、「着いてこい」と言って手招きをした。リヒトは、小走りについて行く。身体を左右に大きく揺らし歩くトーラスは、左足先が無いとは思えない速さで移動した。  ドアの表面には、X-RAYと彫られたプレートが貼ってあった。 「レントゲン室だ。お前の身体の中身を撮影すれば、機械であることが分かるだろう」  ここへ運ばれたロボットが、スクラップ前に必ず入る部屋だった。体内に廃棄不可物質が含まれている場合、事前に取り除く必要があるからだ。
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