駅前商店街の便利屋探偵11〜汐風の詩〜

事件を解決せよ

結城は続けて

『犯人は旅館しぶき専務の長曽我部建一と共謀して吉村一郎を殺害し、おんだら山に遺体を遺棄した。』

野間口は自分を落ち着かせる為に深呼吸をし

『犯人は吉村一郎所有の車で、長曽我部建一は自分所有の真っ赤なスポーツカーで市川市にある吉村一郎の住んでいるマンションに向かった。館山道のカメラの映像に映ってた。』

結城は野間口の推理のあとに

『先にマンションに到着した犯人が吉村の部屋に行き、そのあとに長曽我部建一が吉村の部屋に入る。そこで何かトラブルがあったのか犯人と長曽我部建一が揉めて犯人は長曽我部建一を殺害。』

野間口は結城の推理のあとに続けて

『犯人は長曽我部建一の衣服を脱がせ自分が着た。長曽我部建一の遺体を吉村の部屋にあったキャリーバックに積めてマンションを出た。部屋にあった血痕は長曽我部建一の血液型と一致している………』

結城は野間口の推理のあとに

『犯人はそのまま吉村所有の車でマンションからいなくなり、市川塩浜の海岸で長曽我部建一の遺体があがる。しばらく真っ赤なスポーツカーは吉村が住んでいるマンションの駐車場に止めてあった。』

中瀬は結城の推理のあとに

『しばらくしたあと、真っ赤なスポーツカーは千倉町の南千倉海水浴場の駐車場に放置してあった。それと映像の中のフードの人物と私が追い掛けたフードの人物は同じ人物だよ。』

結城は腕を組み

『犯人の目的がわからないな。吉村一郎と長曽我部建一と旅館しぶきの会長の繋がりがわからん。』

大門は結城の言葉に

『繋がりがわかればいいんですけどね。』

結城は大門に

『なぁ大門、旅館しぶき会長の過去を調べてくれないか？』

大門は結城の頼みに

『会長の過去をですか？』

結城は大門にまるやまの女将、小川やホテル海光苑社長の松方の言葉、旅館しぶき社長と女将が事務所での会話を大門に話した。

大門は結城の言葉に

『わかりました。会長の過去を調べてみます。』

結城は大門に

『吉村所有の車はまだ見つかってないの？』

大門は首を横に振り

『いえ、まだ見つかってません。』

野間口は結城の言葉に

『もしかしたら鉄屑屋とかスクラップ工場に持って行ったんじゃないか？』

植松は野間口の言葉に

『今、警察は千葉県の鉄屑屋とスクラップ工場を探してます。』

野間口は植松に

『闇の鉄屑屋やスクラップ工場は探してないだろ。』

植松は野間口の言葉に

『今の状況で見つからない場合はそう言うところにも足を踏み入れます。』

結城は伸びをして

『んん～………俺達も会長の過去を調べてみようか。また何かあれば教えてよ。』

大門は結城に

『もちろんわかりました。』

結城と中瀬と野間口は乗ってきた車を止めた鴨川警察署の駐車場に戻った。